茶席の花 🌙 R3.5~R4.4

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Column 1

                                  梶谷 栄治

令和4年4月
ヤブツバキ Camellia japonica<藪椿>
ユキヤナギ 
Spiraea thunbergil<雪柳>


4月は炉の名残、炉の名残はツバキの名残です。
細い枝にたくさんの白い小花を付けているユキヤナギに合わせていれました。



令和4年3月
ボケ
 Chaenomeles speciosa<木瓜> 
シラタマツバキ Camellia japonica<白玉椿>

年末から2月いっぱいまで大雪で野に咲く椿たちは大変でした。
でも、琵琶湖にとってはしっかりと深呼吸ができて、北湖のイサザなど喜んでいることでしょうね。




令和4年2月
スイセン
 Narcissus tazetta<水仙>

スイセン水仙は初期の茶人が愛好した花といわれていますが、その清楚な姿にひかれます。
咲きはじめの頃の花の位置は、そんなに高くなく、花を付けた茎がすこしづつ伸び、立春を過ぎて暖かくなるにつれ、花の位置も少しづつ上にと。
この花の気品を感じ、一種入れにと思いこの花器にしました。




令和4年1月
コブシ 
Magolia kobus<辛夷>
ロウバイ  Chimonanthus praecox<蝋梅>
ツバキ Camellia japonica<椿>


コブシの蕾は未だ堅いけど、少しづつ暖かくなってくると、多くの木々に、春がやってきたことを告げようと、葉に先立って思いっきり花開きます。
ロウバイは、花に上品な芳香と光沢があり、冬の茶花として珍重されています。
中国原産で、渡来したのは徳川二代将軍秀忠の頃。
徳川八代将軍吉宗の頃に、初めて茶花として使われたという記録があるそうです。
一番下のツバキは根締として入れました




令和3年12月
シラタマツバキ 
Cmellia japonica’Shiratama<白玉椿>
サネカズラ  Kadusura japonica<実葛>

茶席の花も、晩秋から初冬の12月、この季節は、照葉(てりは) と ツバキの合わせ入れが多いです。
サネカズラ、昔、茎から出る粘液を、整髪料として使ったところから、別名、ビナンカズラ(美男葛) ともいうそうです。



令和3年11月
ベニワビスケ
 Crematis terniflora campanulata Makino<紅侘助>
ヒュウガミズキ
  Corylopsis pauciflora<日向水木>

茶の名残、そして5月からの風炉の名残、
そのあと 11月は開炉の茶事、口切りの茶事。
その年にとれた新茶を大切に入れておいた茶壺の封を切って、炉が開かれた席で新茶をいただく儀式のこと。
そんな頃の床の花です。




令和3年10月
フジバカマ Eupatoriume japonicum<藤袴>
オトコエシ Taraxacum albidum男郎花>
シロバナサクラタデ Persicaria japonica<白花桜蓼>
ヨメナ Aaster yomena<嫁菜>

神無月、元々茶席の花は多くの種は使わず、「清楚にして目立ち過ぎず、一色を、一枝か二枝、軽く活けたるがよし」
と利休居士のおしえに言い尽くされています。
でも10月は別、茶壺の中の茶も少なくなり、茶の名残り、そして風炉も名残りの月、
そんな深まりゆく秋の名残りには、秋草を、帰り花や残り花も含め籠にたっぷり入れ、野山の景色を名残りのお茶席に・・





令和3年9月
センニンソウ
 Crematis terniflora<仙人草>
シュウメイギク
  Aemone hupehensis var.japonica<秋明菊>

夏の盛りから山裾で低い木を覆うように白い可憐な花を咲かせているセンニンソウ。
シュウメイギクは、秋のはじめから、風炉の名残りの頃まで見られます。




令和3年8月
シュウカイドウ  Begonia grandis<秋海棠>
カワラナデシコ  Dianthus superbus var.longicalycinus
<蘧  河原撫子>

八月はお盆の月、この二種は暑い夏の終わり頃まで。
シュウカイドウの茎は緑色ですが節の処だけは紅色。
中国大陸原産で、寛永年間に日本に入ってきたといいます。
カワラナデシコを添えましたが、一種入れにも適し、花入れも選ばないので嬉しいです





令和3年7月
ヤブガラシ  Cayratia japonica<藪枯らし>
ヤハズススキ
  Miscanthus sinensis’Zebrinus’<矢筈薄>

ヤブガラシって言うこの蔓性植物、周辺の植物からは厄介物のよう。
でもよく見ると沢山の小粒で可憐な蕾が寄り集まって、、、
そして次々とオレンジ色の花が、、、
赤い芽出しの頃の天ぷらは美味だそうです 。





令和3年6月
シャクヤク  Paeonia lactiflora<芍薬>

シャクヤクは、美人の立ち姿にたとえられて親しまれてきました。
ボタンと同じボタン属ですが、ボタンは木本でシャクヤクは草本です。
宗全籠に一種入れた大輪は存在感が大きいので、横物(消息)の掛け軸の真下に置きました。



令和3年5月
コバノガマズミ  Viburnum erosum<小葉蒲染>

11月から4月まで、半年間の炉を閉じ、炉畳を仕舞い、道安風炉を置く五月、
茶室内は薫風爽やかに。
こんなころ里山でガマズミを見ましたので、手付き置き籠に入れました。





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