梶谷 栄治
茶の湯の世界では、四季の移ろいを大切にした茶会が催され、茶席の花は季節そのものです。利休居士が 「花は野にあるように ・ ・ ・ 」 と教えられたように、ありのままに入れるのがいいです。
床の花によって季節を ・ ・ ・ 入れられた姿によって茶趣を ・ ・ ・
一般に知られている生花(流儀花)とは異なり、茶花はどこまでも茶花です。
客は一服のお茶を賞味しながら、亭主の心づかいと自然の息吹を感じとります。
令和5年10月(最終回)
サクラタデPersicaria odorata subsp.conspiicua<桜蓼>
フジバカマ(白) Eupatorium japonicum<藤袴>
タムラソウ Serratula coronata subsp.insularis<田村草>
暑記録的な猛暑が、つい最近まで続き、そして、もう10月、風炉の名残の月、火の熱気が席中に広がりにくい朝鮮風炉を仕舞い、5月6月に使った道安風炉が、名残の風炉として再登場。
そんな頃の花 サクラタデ フジバカマ(白) タムラソウ の三種を魚籠に入れました。
来月、11月になれば茶人の正月、と言われ、新茶の口切りの月が近づいて来て、茶席の花も、炉季の花になることでしょう。
平成29年6月 の コアジサイ から、今月の三種入れ まで、茶席の花の 入れ方 の一例として 77回 紹介させていただきました。
ありがとうございました。
令和5年9月
カクトラノオ (別名ハナトラノオ) Physostegia virginiana
<角虎の尾(別名 花虎の尾)>
暑い あつい と言いながらも 短冊には 「扇影秋風閑」 カクトラノオ (別名ハナトラノオ) を 手付置籠に一種入れとしました。
北米産で 大正時代に園芸用に導入されたとか、一部逃げ出して自生のようにも、、、
他に、イブキトラノオ オカトラノオ ヌマトラノオ ルリトラノオ ヒメトラノオ など、 みなトラのしっぽのような花序を付け、面白いです。
令和5年8月
キンミズヒキ Agrimonia pilosa<金水引>
一年で一番暑い盛夏、そんなころの茶事(朝茶)の席を意識して キンミズヒキ を鮎籠に入れました。
年で一番暑い盛夏、そんなころの茶事(朝茶)の席を意識して キンミズヒキ を鮎籠に入れました。
令和5年7月
シモツケソウ Filipendula mulyijuga<下野草>
7月、今年もいよいよ夏本番に、そうなると茶席に広がる炭火の熱が少しでも小さくなるよう、7月・8月・9月の三ヶ月間は、5月・6月に使った道安風炉 から朝鮮風炉に替えます。
そんな頃、山野に・京鹿子に似た下野草(シモツケソウ)も咲き始めます。
令和5年6月
ムラサキツユクサ Tradescantia reflexa<紫露草>
ホタルブクロ Campanula punctata<蛍袋>
コアジサイ Hydrangea hirta<小紫陽花>
茶席の花は元々一茶席の花は元々一種入れが基本と思いますが、今回は消息など横物の掛軸の眞下に置く事をイメージして、季節の花三種を賑やかく宗全籠に入れました。
令和5年5月
ヤマブキ Kerria japonica<山吹>
11月から開いていた炉を閉じ、5月からは風炉を置きます。
そんな頃の花 ヤマブキ。 山吹は日本全土に分布する日本の花。
山野に、民家の庭に。細く曲がった枝の形から、籠の掛け花入れに。
山吹の枝の下部に根締になる物を合わせて、二種入れとする事もありますが、
あえて一種入れ、としました。
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