滋賀森林インストラクター会は、滋賀を中心に多様な森の魅力を紹介し、皆様が森に親しみ、つながりを深めていただくため、各種イベントの開催や森林環境教育の講師派遣など、森に関する様々な活動をしています。当会は、平成6年4月に設立され、現在33名の会員が、県下各地で活動を展開しています。イベントに参加したい 、森で楽しみたい、森で学びたい、森でいやされたい、森を守りたい・・・そんなときは、是非私たちに声をかけて下さい。 (青地 をクリックすると内容がみられます。)
森林インストラクターは、(社)全国森林レクリエーション協会が実施する資格試験に合格した者で、自然と森林の仕組み、森林づくりと林業、野外での活動、教育の方法安全対策のすべてについて、一定レベルの知識を有する「森の案内人」です。
代表者 | 会長 高橋 優 |
佐々木 建雄(第3代会長)
12月のこの一枚は「祈りの森」と題して、大津市葛川坊村町にある葛川明王院とそれを囲む森のご紹介です。
葛川明王院は、比叡山延暦寺に1000年以上伝わる千日回峰行の祖とされる「相応和尚(そうおうかしょう)」により、平安時代前期に創建されました。
「葛川縁起」の言い伝えによれば……
相応は葛川の地主神である思古淵(しこぶち)神から修行の場として当地を与えられ、地主神の眷属である浄喜・浄満(常喜・常満とも)という2人の童子の導きで比良山中の三の滝に至り、7日間飲食を断つ厳しい修行を行った。
満願の日、相応は三の滝で不動明王を感得(仏などの超人間的なものの存在を感じ取ること)する。
放心した相応が三の滝の滝壺に飛び込むと、不動明王と見えたのは桂の古木だった。
この霊木から千手観音像を刻み、安置したのが明王院の始まりとする……とあります。
なお、上記の浄喜・浄満の末裔とされる葛野(くずの)常喜家・葛野常満家は現在も信徒総代として門前の集落に住まわれていて、毎年恒例である回峰行者の「夏安居(げあんご)」と呼ばれる修行の折は、修行僧の身の回りのお世話をされているとのことです。
秋も深まった冷え込みの厳しい朝、比叡比良トレイル協議会のメンバーとこの地を訪れた時は、明王院の森に深い霧がかかり、幽玄そのものの雰囲気を醸し出していました。
回峰行の聖地・葛川明王院とその森の中で、祈りは1000年以上も前から今に至るまで続いています。
今年一年は、「祈り」をテーマにお送りしましたが、いかがでしたでしょうか?
ご覧いただきありがとうございました。
来年は、新しいテーマでお送りする予定ですので、引き続きよろしくお願いします。
※ 制作の裏側
森に立ち込めた霧の表現が制作のポイントでした。
霧の深いところ浅いところの絵の具の濃淡、ぼかし具合など、水を加減しながら試行錯誤の繰り返しです。
水彩画の難しいところであり、醍醐味でもあります。
(作品データ:水彩F4号 WIRGMAN 透明=W&N)
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