茶席の花 🌙

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Column 1

                                  梶谷 栄治

茶の湯の世界では、四季の移ろいを大切にした茶会が催され、茶席の花は季節そのものです。利休居士が 「花は野にあるように ・ ・ ・ 」 と教えられたように、ありのままに入れるのがいいです。  
床の花によって季節を ・ ・ ・   入れられた姿によって茶趣を ・ ・ ・
一般に知られている生花(流儀花)とは異なり、茶花はどこまでも茶花です。
客は一服のお茶を賞味しながら、亭主の心づかいと自然の息吹を感じとります。

平成31年2月
スイセン Narcissus<水仙>


茶席の花は季節を大切にすることから、「花の暦」といわれます。
水仙は利休や、滋賀に縁の深い小堀遠州ら、初期の茶人に愛好され、特に遠州は、水仙の清楚な姿に、きれい・さびを感じたそうです。
この花の気品を生かすには一種入れが一番。 広口の花入に茎葉の裾は広げずに入れました。




平成31年1月
ロウバイ Cimonanthus prarecox<蝋梅>

ツバキ ’セイオウボ  Camellia japonica’seiobo<椿 ‘西王母>

新しい年を迎え、お正月は茶席の床も気品良く、椿と蝋梅を合わせました。開炉から年末年始の床に、蕾みの膨らみはじめた西王母、蝋梅は炉開きの頃には照り葉の枝を使いますが、正月には花の枝がいいですね。 敷板も格調高く真塗りの矢筈板。




平成30年12月
ダンコウバイ Lindera obtusiloba<檀香梅>

ツバキ Camellia japonica ‘Hatuarasi’<椿 初嵐>

ダンコウバイとツバキ、椿は初嵐(はつあらし)、木枯らしが吹いて秋の野の花は枯れ、色づいた木の葉みんな枯れてゆく。主役になってくる花の蕾みが膨らんできます。




平成30年11月
カキノキ Diospyros kaki<柿の木>

ヤブツバキ Camellia japonica<藪椿>

霜月、開炉の月に入ってくると、野も山も、里では木々がそれぞれに色づきます。茶席の床には信楽の花入に柿の照葉、そして,夏の木槿と冬の椿といわれるように、椿の蕾みも入ってきました。




平成30年10月
ヤブラン Liriope muscari<藪蘭>


いよいよ風炉の名残り、名残りの花は賑やかく入れることが多いです。でも、日陰で、静かに咲いているヤブランの姿を見て、「 これ一種だけにしよう、」 と思い、かまくら籠に入れました。



平成30年9月
ベニフヨウ Hibiscus mutabilis<紅芙蓉>


ベニフヨウ、茶席の 花は朝開いて夕方しぼむのがいいと言われます。 フヨウの花は朝開き、夕方早めにしぼみます。 葉と蕾が多く付いています。 青磁の耳付花入に、葉も蕾も随えて一花入れま した。 敷板は真塗りの矢筈板にしました。



平成30年8月
ヤハズススキ Miscanthus sinensis ‘Zebrinus’<矢筈芒>
ムクゲ Hibiscus syriacus<木槿>


矢筈芒(やはずすすき),葉に矢筈状の白斑があり、風炉の花として入れる期間が長いです。 木槿(むくげ)は底紅(そこべに)で宗旦木槿(そうたんむくげ)とも言われ、利休の孫、宗旦の好みだったそうです。
横物の掛軸の真下に、宗全籠に入れました。



平成30年7月
ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca americana<洋種山牛蒡>


夏が近づくと白色の小花をたくさんつけているのを目にします。
花後に紫黒色の実を付けますが、その前の花の可憐なあいだに茶席の床に、「葉が大きいので整理して・・」という茶人もあるようですが、敢えてそのまま入れてみました。



平成30年6月
ヤマボウシ Cornus kousa<山法師>


炉が閉じられ、道安の風炉釜が置かれた茶室に爽やかな薫風が通り抜けると
山の緑も少しづつ濃くなり、茂った葉の上には白い花が目立ってきます。 
比叡山中を歩いている様な姿の山法師。
一つの枝にたくさんの花を付けていることが多いですが、この枝には一輪。



平成30年5月
ヤブデマリ Viburmun plicatum var.tomentosum<藪手毬>

フジ Wisteria floribunda<山藤>

5月になると山に入るのが楽しい。
茶事の後座では床に掛け物が無く、花は中釘に入れます。
客は花も楽しみに、後座の席に入ります。
利休さんの逸話では中釘に朝顔の花一つ。
でもここでは少し賑やかに・・・



平成30年4月
キブシ Stachyurus praecox<木五倍子>

ヤブツバキ Camellia japonica<藪椿>

4月は炉の名残り、炉のなごりは椿のなごり、フィナーレにまっ赤なヤブを入れました。
11月に開いた炉も今月いっぱいでおしまいです。



平成30年3月
オオバヤシャブシ Alnus sieboldiana<大葉夜叉五倍>
ワビスケ Camellia wabisuke<侘助椿>


きびしい冬枯れの山野 ・ ・ 厳しい冬のあと春を迎えるオオバヤシャブシ、
侘び数奇の転訛とも思われるワビスケ、その清楚な姿が茶人に喜ばれています。



平成30年2月
トサミズキ Corylopsis spicata<土佐水木>
レンギョウ Forsythia suspensa<連翹>
センダン(実)Melia azedarach<栴檀>


きびしい冬枯れの山野 ・ ・ でも草木の芽吹きが春をよびます。
この時季栴檀が茶席の床に見ることはあまりありませんが、落葉後の実が人の目を引きます。





平成30年1月
ヤナギ Salix babylonica<柳>

ツバキ ’ウスベニノツバキ Camellia japonica<椿 ‘薄紅椿>
ナツツバキ Stewartia pseudocamellia<夏椿>


1月の茶席の床には、なんといっても結び柳が一番です。芽を出したばかりのみずみずしさと生命力あふるる柳は、新年を祝う茶席の一番の演出者です。薄紅の椿と新芽の枝を添えました。
床の掛け物は,「春 千林に入り 處々に鶯」





平成29年12月
ニシキギ Euonymus alatus<錦木>
ツバキ ’セイオウボ  Camellia japonica’seiobo<椿 ‘西王母>

この月に入ると茶席の床には「無事」とか「無事是貴人」とか「先本年無事目出度千秋楽」の軸が掛かるところも多いです。そんな頃の茶席の花です。





平成29年11月
ミヤマガマズミ Viburmum wrightii<深山莢蒾>
ツバキ Camellia japonica<椿>

風炉の名残も過ぎ、閉じていた炉が開かれ、初夏に摘まれた茶葉が入れられ、厳重に封されていた壺。その壺の口切りのとき.. 
茶家にとっては正月のような改まった気分に....
そんな秋から初冬えと移りゆく頃の床の花 、照り葉とつぼみ





平成29年10月
ヒヨドリバナ Eupatorium chinense<鵯花>
ホトトギス Tricyrtis hirta<杜鵑草>
アキノエノコログサ Setaria faberi<秋の狗尾草>
ミズヒキ Polygonum filitorme<水引>
ノコンギク Aster ageratoidas spp.ovatus<野紺菊>
ナデシコ Dianthus superbus var.longicalycinus<撫子>
ヨメナ Kalimeris yomena<嫁菜>
イヌタデ Polygonum longisetum<犬蓼>

10月に入って来ると名残の季節。本来茶席の花は先がけの花を尊び、季節遅れの花は避けられますが、名残りだけは別とされています。
春は炉から別れ、秋は風炉の名残りと言われ、名残りには盛りを過ぎた残花も含めて、花入れには乱れをかまわず賑やかに入れる事が許され、まさに名残花です。
そして秋が深まるにつれて紅葉、照り葉、黄葉、実のもの等も用いる季節に入っていきます。






平成29年9月
ススキ Miscanthus sinensis <芒>

ワレモコウ Sanguisorba officinalis <吾亦紅、吾木香>
ハギ Hibiscus syriacus <萩>
キキョウ Platycodon grandiflorus<桔梗>

晩夏から初秋のころ
野は美しい  
利休さんが京の桂川で、漁夫が用いていた魚籠(びく)を、花入れに取り入れて好んだという

今回のような花の入れ方は、一般的に 「横物」 の掛け軸を床にかけようとする時、軸の真下に置くことを意にしながら入れるのです。






平成29年8月
ムクゲ Hibiscus syriacus <木槿>

木槿は、インド・中国が原産だそうです。
「夏は木槿、冬は椿」といわれるように、夏の木槿は、冬の椿と共に茶花の代表的なものですから、この時季にこの花は欠かせません。                       木槿は、朝開いて夕方しぼむ・・ そのはかなさからこの花を古来中国で「槿花一朝の栄え」とか「槿花一朝の夢」と表したようです。                  
夏の盛りには、この花も底紅をはじめ他の色も、咲き方も一重や八重も・・
花入れとの相性もありますが、「木槿は一枝一輪」にと拘って入れました。

       夏の茶席に真っ白な一重の一輪 、凛とした姿に惚れました






平成29年7月
オカトラノオ Lysimachia clethroides <岡虎の尾>





平成29年6月
コアジサイ Hydrangea hirta <小紫陽花・別名シバアジサイ>